ミステリー・セレクション・縁側刑事
元刑事の一徹(藤竜也)は、東京・三ノ輪の一軒家で一人暮らし。以前は孫娘と二人で暮らしていたが、大学を卒業後に家を出た孫娘は、家に寄り付こうとしない。それもそのはず。一徹は近所でも有名な頑固爺さんなのだ。そんな一徹を心配して世話を焼くのは、近くに住む総菜屋の女将・千恵(石野真子)だ。刑事だった一徹に世話になった恩から、いまだに彼を慕っているのだった。ある日、一徹は千恵から自分には何の相談もなく刑事になった孫娘・あさひ(本仮屋ユイカ)の近況を知らされる。警察学校を卒業したあさひは、西蒲田署の地域課に配属され、交番勤務をしているという。あさひは、交番長の土橋(田中要次)や西蒲田署鑑識課の水原(山崎樹範)に助けられながら毎日を過ごしていた。そんな中、あさひは一人の老人と心を通わせるようになる。一人暮らしの小野田(前田吟)だ。小野田は子どもたちと独楽で遊んだりと面倒見がよく、人気者だった。子どもの頃に大人と遊んだことがないあさひは、小野田を父のように慕う。ある日、西蒲田署の管内で殺人事件が起きる。鑑識の水原は、殺された遺体の所持品から変体紋(へんたいもん)が見つかったと興奮気味だ。変体紋とは変わった体系の指紋で、かなり珍しい指紋だった。そんな中、警察に小学校から苦情が入る。小野田が小学生たちと遊んでいる事に苦情を申し入れた保護者がいたのだ。不本意ながらも小野田にそのことを伝えに行ったあさひは、小野田から「あんたも所詮、警察の人間だったんだな」と冷たく言われる。もともと警察嫌いだった小野田がまたしても警察に心を閉ざしてしまったのだ。
#邦画
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